魅力にふれる INTERVIEW

美濃焼を通じた、人との繋がり。

春田里美さんは現在、明治17年創業の窯元である豊泉窯で、筆による手描き一品もの・銅版転写技法による量産品など、染付けをメインとした器を作陶する傍ら、出張で絵付け教室を開催したり、地元の体験型イベントに参加するなどの活動も行っています。今回、そんな美濃焼を積極的に発信する活動を行っている春田さんに、美濃焼の魅力についてインタビューさせていただきました。

春田さんはどのようなきっかけで美濃焼の世界に入ったのですか?

私自身、出身は三重県なのですが、京都の大学に入学し、そこで勉強したことがきっかけで陶芸について興味を持ち始めましたね。その後、岐阜県多治見市にある「陶磁器意匠研究所」という陶磁器の研究機関で勉強し、五代目である夫と豊泉窯を受け継いでいます。

具体的にはどのようなお仕事をされているのですか?

豊泉窯では、陶磁器に絵模様を描き、焼付ける"染付け"を特長としている窯元ですので、その絵付けをメインとした器を作っています。また、陶磁器を作るだけではなく、地元の方に対して、陶磁器の絵付け体験などのイベントも積極的に行ったり、昨年はこの東濃エリアにとどまらず、東京でも美濃焼の魅力を知ってもうためのイベントにも参加しました。最近ですと、「わぼん」というカフェギャラリーと共同企画で「美濃焼こみち」といイベントにも参加しましたよ。

「美濃焼こみち」とはどのようなイベントですか?

岐阜県東濃エリアの陶磁器産地である「多治見市」「土岐市」「瑞浪市」にて開催される、体験型イベントで、地元の人々が講師となり、ご当地グルメを作って味わったり、陶芸作家から器づくりを学んだりして、お客さんを招き入れて現地で楽しむというイベントです。2015年は、豊泉窯で本格的な絵付け体験をして、自分だけのオリジナルな器を制作してもらい、お昼にカフェギャラリーの「わぼん」で豊泉窯の器を使って、みんなでランチをいただくというイベントを共同で行いました。豊泉窯としては、この「美濃焼こみち」に参加するのは初めてで、来年の参加はまだ未定なのですが、美濃焼の魅力をたくさんの方に発信するためにも、今後も積極的に参加していきたいですね。

春田さんの考える、美濃焼の”魅力”とはなんでしょうか?

「美濃焼」をキッカケとした人との出会いや、その人との繋がりですね。他の焼き物産地と違って美濃焼は東濃エリアという比較的広い地域で作られているので、私の場合、陶磁器意匠研究所を卒業しても、企画展にお声かけをして頂いたり、陶磁器についての情報を交換したり、先輩や友達などの様々な世代の人との繋がりが多いです。美濃焼は特長がないことが特長だと言われていますが、その特長があったからこそ、美濃焼を通じて様々な世代の人達と繋がり続けられるができたので、そこが美濃焼の一番の魅力ではないかと思います。

オススメスポットのご紹介

市之倉さかづき美術館


薄くて繊細なさかづきが約1500点展示されているので、その量の多さにきっと圧倒されます。美術館以外にも、作陶体験が施設や、石窯を使ったピザ屋さんもあるので、美濃焼に興味がない方でも一日楽しめる施設になっていますよ!

詳しくはコチラ