

今後の美濃焼を継いでいく、若手陶芸作家たち。
田中源さん、アサ佳さんは2015年に結成された岐阜県土岐市在住の若手陶芸作家4人によるユニット「ミノヤキセンパイ」の一員で、陶芸に関心がない人たちにも気軽に接してほしいという想いをこめて現在、県外問わず美濃焼の魅力を伝える活動を行っています。焼き物といえば、年配の方というイメージを持ってしまう方もいるかもしれませんが、今回、そんな若手陶芸作家として活動中の田中源さん、アサ佳さんに美濃焼の魅力についてインタビューさせていただきました。
お二人はどのようなきっかけで美濃焼の世界に入ったのですか?


私は土岐市生まれ土岐市育ちなのですが、父が陶芸作家だったということもあり、焼き物を小さい時から見てきていたので、気が付いたら自然と焼き物の世界に入っていましたね。それからも、何かを選んだというわけでもなく陶芸を勉強できる「多治見工業高校」で2年間勉強し、卒業後は伝統陶芸の先生として勤めていました。焼き物の世界に入ったきっかけはこの土岐市に生まれたからですね。
アサ佳さん僕は埼玉県出身の普通の大学を卒業したのですが、いざ就職活動を始める中で、このまま普通のサラリーマンになることに抵抗があったのと、もともとモノづくりを職にしたいという思いがあったので、自分の将来の道に悩んでいましたね。そんな中、陶芸教室で焼き物に触れる機会があり、そこでの体験を通じて、陶芸家の道になろうと思ったのが、この焼き物の世界に入ったきっかけです。
“ミノヤキセンパイ“の結成に至った経緯とは?

具体的にどのような活動をされているのですか?

メインは陶磁器作品の制作と発表ですが、それ以外にも、東濃エリアや美濃焼の魅力を知ってもらう一貫として、地元の方はもちろんですが、県外問わず幅広い地域で、ろくろを使った陶磁器制作の実演などのワークショップ活動をミノヤキセンパイとして積極的に行っています。
アサ佳さん僕らがいろんな活動をして多くの方に向けて目立つ事が大事だと思っていて、”ミノヤキセンパイ”の存在を知ってもらったり見てもらうことで、美濃焼やこの東濃エリアに焦点が当たり、最終的に陶芸作家といえば、年配の方というイメージを持ってしまう方もいるかもしれませんが、僕たちのように若い世代の方でもやっているという事に焦点が当たって欲しいと思っています。
今後、陶芸家になりたいと思っている方へアドバイスをするなら?
まずはこの東濃エリアに来て見てもらいたいですね。
アサ佳さん他の地域で陶芸作家を目指そうと思うと、作れる物が限定される事が多いですが、この東濃エリアに来ると様々な作り方や粘土があります。僕はこの東濃エリアで陶芸作家としてやっている中で一番良いと思うのは、同じくらいの歳で活動している作家さん達がたくさんいるので、その方と情報共有ができる事だと思います。他の地域だと孤立しがちですが、ここだとその共有が活発にできるので、いつもたくさんの刺激をもらっています。田中さんが言う通り、陶芸作家を目指している方は、まずは東濃エリアにきて見てもらいたいですね。

お二人が考える、美濃焼の”魅力”とは何でしょうか?


何でもありなところですね。有田焼なら真っ白いもの、備前焼なら真っ暗なもの、と決まっていたりするのですが、美濃焼は特に決まりがないので、陶芸作家にとってその自由さは魅力的だと思います。地方によっては、白い物が取れるから白い焼き物、黒い物が取れるから黒い焼き物を作るというところが多いのですが、この東濃エリアでは、とても恵まれた地域で、白でも赤でも黒でも、何色の土でも取れることと、量産の技術もすごく発展しているので、作り方も粘土も様々なので、そこがとても魅力的です。
田中源さんアサ佳さんの言う通り、この東濃エリアでは作り方も、粘土も、釉薬も発展しているので、他の焼き物で使う技術も、美濃焼はすべて網羅しているところですね。個人でやる方でも、いろいろな方向性で作れるので、個性溢れた作品がたくさん作れるのは、美濃焼の一番の魅力だと思います。
オススメスポットのご紹介
セラミックパークMINO
陶磁器の美術館や作陶体験、お食事から若手陶芸作家を中心とした陶磁器ショップなど、美濃焼に関連する施設がとても充実しています。建物自体も有名な方が建てられているので、陶磁器に興味が無い方も気持ち良く過ごせる場所だと思いますよ!
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